16章7錯覚の終わり

The End of Illusions

引き続き特別な恋愛関係について。
ここでは、恋愛において相手を選択するときに、
それは過去の執着や過去の出来事を再演して、
過去を変えようとする試みであると言われています。
その再演にぴったりな人を恋愛の相手に選んでいるのです。

つまり、過去に完了されていない感情や執着を誰か他の人ともう一度やり直そうとする、
そのために特別な人を選び、関係をつくるということです。

それは、実在に生きることにはならないので、選択をしなくていいと教えています。
平たく言えば、恋愛はしなくていいよ、ということです。
ロマンチックな関係があれば、人生が豊かになると信じている人にとっては、
受け入れがいた内容かもしれませんね。

Imagined slights, remembered pain, past disappointments,
perceived injustices and deprivations all enter into the special relationship,
which becomes a way in which you seek to restore your wounded self-esteem.
軽べつされたと思い込んでいることや忘れられない苦しみ、
失望したこととか不公平に扱われたとか奪われているように知覚したことなど、
みなこの特別な関係に入り込み、その関係は自分の傷ついた自尊心を回復しようとする手段となる。

No special relationship is experienced in the present.
特別な関係はどれ一つ、現在において経験することはない。

How can you change the past except in fantasy?
空想のなかならともかく、どうやって過去を変えられるだろうか。

And who can give you what you think the past deprived you of?
それにあなたが過去に奪われていたと思うものを、いったいだれが与えてくれるだろうか。

The past is nothing.
過去は実在しない。

特別な恋愛関係の中に、実在の今はなく、私たちは過去をもう一度生きようとしているに
過ぎないと断じています。
真理は、実在にあり、それ以外を選ぶことは実在しないものを選ぶことになると。
恋愛関係を選ぶなら、それは実在を選ぶことにならないのです。

恋愛関係に限らず、私たちは自分の中でこうに違いないと見て(知覚して)生きています。
でも、実際に後々になって話を聞くと、
自分の想像とはかけ離れた心情や理由がわかることがあります。
私たちは常に錯覚の中で決断し、行動しているのです。
まずは、その錯覚から目覚めることです。

Remember that you always choose between truth and illusion; between the real Atonement that would heal and the ego's "atonement" that would destroy.
あなたはいつも真理と錯覚のどちらかを選んでいるということ、
つまり癒しをもたらす真の贖罪かそれとも破壊につながる自我の「罪の償い」か、
そのどちらかを選択しているのだということを覚えておいてほしい。

Be an ally of God and not the ego in seeking how Atonement can come to you.
どうすれば贖罪を自分のものにできるか捜すには、自我ではなくて神の味方になるがいい。

贖罪を自分のものにするとは、自分もきょうだいも許すということですが、
それによって錯覚から目覚めることができるのです。
自我が特別な相手さえいれば、幸せになれると言ってきても、それを信じないで
実在の自分に目覚めなさい、神(ONENESS)を選択しなさいと繰り返し教えています。

この後、祈りの言葉のような文章が続きます。
それはここには入れませんが、こうした言葉を読むことで、
浄化、癒しが進むように思われます。
私が紹介している引用はほんのごく一部だということを知っていてくださいね。

So be it.