16章の6 実相の世界への橋

The Bridge to the Real World

16章の4あたりから、特別な愛情関係は自我にとっては価値がある。
しかし、それは私たちを実在から遠ざけることになるという話が続いています。
自我にとっては愛は特別なものですが、実在ではそうではありません。

Love is freedom.
愛は自由である。
To look for it by placing yourself in bondage is to separate
yourself from it.
愛を捜そうとして自分自身を束縛される立場におけば、
自分をそれから分離することになる。

束縛の中で自由を探したり、分離の中でひとつに結ばれようとしないほうがいい。
自我(エゴ)は罪の意識を利用して、特別な関係におびき寄せようとしている、
と話しています。恋愛関係の話ですが、なんだか怖いですね。

The special relationship is totally meaningless without a body.
特別な関係というものはからだがなければ全く無意味である。

If you value it, you must also value the body.
もしあなたがそんな関係を大事にするのなら、からだも大事だと思うに違いない。

自分自身を身体に制限したり、
他の人たちも身体であると見せようと自我(エゴ)は考える。
身体でひとつになろうとしても、それは自分自身の重要性を減らそうと
試みているにすぎない。
二人の世界の外側に置き去りにしているものの方が、遥かに大きいのだから。

If one such union were made in perfect faith, the universe would enter into it.
もしそうした結合が完全な信頼のうちに結ばれたなら、全世界が入り込んでくる。

完全な信頼。それは、自分自身を許し、相手も許した関係の中にあります。
あるいは、許しなど必要ないのだとはっきりとわかったときに、
お互いを完全に信頼できるのでしょう。そのときは、特別な関係の中に、
全世界が入り込んでくる、と言われます。
こういう関係なら、攻撃や罪の意識は入り込まないのでしょう。

Yet the special relationship the ego seeks does not include even one whole individual.
しかし自我が求める特別な関係は、個人を全面的に受け入れようとさえしない。

The ego wants but part of him, and sees only this part and nothing else.
自我はその人のある部分だけを欲しがりこの部分だけを見て、
ほかは何も見ようとしないのである。

たとえば「あの人は私のことをわかってくれない」とは、
親子関係でも、恋愛でも、あるいは職場でも、よく聞く言葉です。
人は自分の見たいところだけを見て生きているのです。

そして、罪の意識を利用しようとする関係には価値はない。
橋を渡っていきないと告げられています。

Once you have crossed the bridge, the value of the body is so diminished in your sight that you will see no need at all to magnify it.
いったん橋を渡ると、からだというものの価値は自分にとって減少するので、
それを誇張する必要は全くないように思えてくる。

For you will realize that the only value the body has is to enable you
to bring your brothers to the bridge with you, and to be released together there.
なぜなら、からだのもつ唯一の価値は、あなたがそれのおかげで
自分と一緒にきょうだいたちを橋まで連れてこられるようになり、
そこで共に解放してもらえるということだと悟るからである。

The bridge itself is nothing more than a transition in the perspective of reality.
実在の世界への橋とは、
実在について総体的な見方をするように心を切り替えるというだけのこと。

The Holy Spirit asks only this little help of you:
Whenever your thoughts wander to a special relationship which still attracts you,
enter with Him into a holy instant, and there let Him release you.
聖霊はただほんの少しあなたに手助けを頼んでいる、
その頼みというのは、
あなたがまだ魅力を感じている特別な関係のほうに思いが迷った時には
いつでも、聖霊と共に聖なる一瞬を思い浮かべ、彼らにあなたを解放させるように。

私たちは自分ひとりで歩いているのではない、常に見えない存在とつながり、
大きなサポートを得ている。そのことを忘れないで、
実在の自己とのつながりを意識して生きていきなさいと、言われています。

So be it.