16-5 完成への選択

The Choice for Completion

16章の4に引き続き、特別な愛情関係について。

誰でも知っている通り、恋愛関係において、愛されている、愛しているという
充実した時もあれば、一方で不安や絶望、痛み、苦しみ、相手を攻撃したくなったり、
その反対に罪悪感をもったり、さまざまな感情に振り回されます。
それを私たちは、人間として当たり前の経験として受け入れています。
恋をしているのだから、愛しているのだから自然のことだと思います。

しかし、奇跡のコースではそうはいいません。
苦しみや、不安が伴う関係は、自分への攻撃であり、
そうすることで、相手に罪の意識を感じさせる。

恋愛関係とは、自我(エゴ)が攻撃しやすくするために、
相手を無防備にさせる関係ともいえる、と。

The special love relationship is the ego's chief weapon for keeping you from Heaven.
特別な愛情関係は、自我があなたを天国から遠ざけておくために使う主要な武器。

相手の言うことをなんでも受けれようとする人は、
エゴにとっては魅力的な人となる。
そうして、愛すると同時に憎しむという関係が生まれる。
それをみんな少しも変だとは思わないが、
それは分離しているものの考え方である、ともここでは言っています。
分離しているとは、天国にいない、本当の自分を知ろうとしていないということです。

In Heaven, where the meaning of love is known,
love is the same as union.
天国では、愛の意味は分っており、愛とは一つに結ばれるということだ。

Here, where the illusion of love is accepted in love's place, love is
perceived as separation and exclusion.
ここでは、愛だと錯覚していることが、愛の代わりに受け入れられており、
愛するとは分離し、締め出すことのように見なされている。

It is in the special relationship, born of the hidden wish for special love from God,
that the ego's hatred triumphs.
特別な愛情関係は、神に特別に愛されたいという胸に秘めた願いから生まれるのだが、
そんな関係においてこそ自我の憎悪感が勝ち誇ることになる。

自分だけ特別に愛されたい、特別に得をしたい、優遇されたい、特別に・・・。
私たちが、いつも思っていることですが、それはおかしなことを考えているんだと、
気がつかなければいけないと教えています。

To everyone Heaven is completion.
だれにとっても天国は完成を意味する。

The Holy Spirit knows that completion lies first in union,
and then in the extension of union.
聖霊は、完成された姿はまず一つに結びついた状態のうちにあり、
つぎにその状態を拡張させるところに見いだせるものとわかっている。

To the ego completion lies in triumph,
and in the extension of the "victory" even to the final triumph over God.
自我は、自らが勝ち誇れるとき、そしてその「勝利」を拡張していって、
最終的に神を打ち負かすに至ったときに完成を見いだす。

The special relationship is a strange and unnatural ego device for joining hell and Heaven,
and making them indistinguishable.
特別な関係は、自我が地獄と天国を一緒にして区別ができなくするために使う、
奇妙で不自然な手段である。
自分の中に恐れがあるとき、人は愛という名の元に、相手に罪の意識をうえつけます。
それは、攻撃であり、分離の世界を強固にする働きです。
私たちが、本当に人と密接な関係を築くためには、
まず、自分の中にある恐れを見つめ、それを手放すことが求められているのです。
自分自身が無限の愛であるという意識へと移行すること。
恋愛の相手を探すより、まずは自分を癒し、覚醒することが真実の愛への道であると、
ここでは教えています。

so be it