16-4 愛の幻想と真実

The Illusion and the Reality of Love

恋愛感情で愛するとき、その関係は、愛ではないと言われています。

恋愛関係は、憎しみの関係を持ち込まない安全地帯として見なされ、
そこに憎しみが持ち込まれたとしても、このつながりは愛だと自分をだまし、
幻想をもとうとする。
そして、その幻想がなくなると、今度は相手に幻滅したといって
その恋愛関係が壊れたり、満足できなくなったりする、と。

愛は事実であり、変化するのであれば、それは愛ではありません。
私たちの心に憎しみがある、憎悪があるという錯覚をよくみて、
それを手放しなさい。
心に平安があれば、愛があることに気づくと教えています。

私たちがすべきことは、
憎しみからの避難場所としての愛の関係を得ようとするのではなく、
憎しみを怖がらずに見つめて、それを癒すことだとここでは教えています。

引用が長くなりますが入れておきます。
Where disillusionment is possible, there was not love but hate.
幻滅する可能性があるところには、愛どころか憎悪があるといえる。

It is essential to bring it into sight, and to make no attempt to hide it.
憎しみを見えるところに持ち出すようにし、
隠そうと企てたりしないようにすることがきわめて重要である。

Only hate is at all concerned with the "triumph of love".
ただ憎悪感のみが「愛の勝利」に躍起になる。

As long as the illusion of hatred lasts,
so long will love be an illusion to you.
憎んでいると錯覚し続けるかぎり、
あなたにとって愛は錯覚であり続ける。

Your task is not to seek for love,
but merely to seek and find all of the barriers
within yourself that you have built against it.
あなたに課せられた仕事は愛を捜し求めることではなくて、
ただ自分自身のなかに愛に反対して築いた障害物を、みな捜して見つけることだ。

They seek it desperately, but not in the peace
in which it would gladly come quietly to them.
それ(愛)を必死になって捜しはするが、心に平安があってのこととはいえない、
もしそれ(平安)があれば愛は喜んで穏やかにその人たちのものとなるだろうに。

If you seek love outside yourself you can be certain
that you perceive hatred within, and are afraid of it.
もし自分自身の外に愛を求めようとすれば、
自分のなかに憎しみがあると知覚して恐れていることは確実。

誰かに愛して欲しい、愛が足りないという思いは、だたの錯覚であり、
自分を間違ってみているのです。
本当の自分は、愛を与えることの喜びが何にも勝ることをしっている存在です。
それは、特別な誰かに愛を注ぐということではありません。

Recognize this, for it is true, and truth must be recognized
if it is to be distinguished from illusion:
The special love relationship is an attempt to bring love into fear,
and make it real in fear.

今ここで言うことこそ本当だから、それに気づいてほしい、
真理を錯覚と区別するにはそれを見分けなければならない、
つまり特別な愛情関係は、愛を分離状態にもたらそうとして
関わっているということである。
そんな関係は愛を恐れにもちこみ、
恐れのなかで本物にしようとする試み以外のなにものでもない。

特別な人と特別な愛情関係をもてるというのは錯覚であり、
それは分離していることを現している。
親密な恋愛関係を夢見ている私たちには、とても厳しい言葉です。

For the illusion of love will never satisfy, but its reality, which
awaits you on the other side, will give you everything.
愛だと錯覚していることで満足しようとしても、それは絶対無理だが、
向こう側で待っているのは愛の真実のすがたであって、
それがあなたにすべてを与えてくれる。

so be it