8章戻りの旅路1学習課程の方向性

The Journey Back
The Direction of the Curriculum

知識がこのコースを学ぶための動機ではない。心の平安である。
平安が知識のための必要条件。その理由はひとつ、葛藤の中にある人々は平安ではないから・・・

自我の声は幻覚である。自我が「私は実在ではない」と言うのを期待することはできない。けれど、あなたは、幻覚をひとりで追い払うようにと求められているのではない。

あなたは、ただ幻覚があなたにもたらした結果について、その価値を見極めるように求められているのだ。

自分がいる世界をよく検証してみなさいと言われています。ここにいると信じる価値があるほど、私たちは幸せでしょうか? いつも何か悩みがあり、不平や不満があり、十分でないと感じ、よく思われたいと願い、ひとりで生きることを恐れているのではないでしょうか?

この奇跡のコースを学ぶことで、どこか見知らぬ世界に行くわけではありません。私たちはここにいながらにして、実在の自分とつながることができるのです。それを至福といいます。

そうなるのを邪魔しているのは自我です。でも、自我に力を与えているのは私たち自身なのです。自我を追い払うのではなく、自我に従って生きているこの今の状態をよくみて見なさいと言われているのです。そうすれば、自然に違う生き方、考え方があるのかもしれない、という選択を受け入れてみようと思い始めるのです。

今、完全に幸せでないなら、それはこれまで学んできたことでは、幸せになれないとうことです。新しい思考体系を学ぶことで失って惜しいものなど何もありません。今ある生活や、財産がなくなったり、愛する人がいなくなったり、希望や、願いが叶わなくなるわけではありません。ただ、自分が本当は何であるのかを知り、ここにいることに安心していて、自分に満足し、不安や恐れや孤独がなくなるだけなんです。