5章6時間と永遠 その2

Time and Eternity その2

「私はこの世に、光として来た」と述べたその意味は、光をあなたと分かち合うためにきたということである。・・・自分を見いだすためにどこに目を向けるかはあなたしだい、それは今でも本当だ。

あなたはただ限りなく寛容であることだけが、即座にその結果を生じるということを学ばなければならない。これこそ時間を永遠と取り替える方法である。限りない寛容さは限りない愛を求めることであり、今ここにその結果を生じるので、時間を必要ないものにする。

限りなく寛容であるためには、相手を批判するのではなく、わかろうとすることが大切だということは前にも語られていました。相手の立場や状況を知ろうとすること。そうすれば理解できるようになるし、寛容になることもできるよ、そうすれば『いまここにいる』ことができるよ、永遠のなかにね、ということだと思います。言い換えれば、こだわりや執着をすてて、寛容になること、愛すること、そうすれば、『いまここにいる』つまり目覚めるということですね。

私は相手の立場を理解するというときに、チャック・スペザーノ博士のたとえ話が一番好きです。というか私のツボにはいる話なんですね。

簡単に紹介します。
夜も遅い電車の中で、ひとりの男がふたりの子供を連れて乗っていました。子供たちは電車の中で騒ぎながら走り回っています。でも、親らしいその男は座ったまま、ぼーっとするだけで、まるで注意をしません。みかねた隣の人が、こんなに暴れていたら他の乗客に迷惑だから、子供たちに何かいいなさいと、男を叱りました。すると、男は『今、病院でこの子たちの母親が亡くなったばかりなんです。この子たちはまだ知りません。私はどうそれを伝えていいのか・・・』と泣き崩れたのです。
相手の立場を知ることで状況は一変します。

ここまではっきりとわからなくても、自分にはこの人がこうなった理由や背景を知らないだけかもしれない、そう考えるだけでも、相手を許そうと思ったり、寛容になることができるのではないかと思います。